──なぜ「寝たい時間」と「起きたい時間」がズレるのか
1日は24時間。
これは誰もが知っている事実だ。
しかし一方で、こんな感覚を持ったことはないだろうか。
- いつもなら眠くなる時間なのに、なぜか目が冴えている
- 起きなければいけない時間なのに、体がまったく動かない
- 寝不足でもないのに、リズムが合わない日がある
それは「気合が足りないから」でも、
「怠けているから」でもない。
実はそこには、
**人間の体内時計が持つ“ズレ”**が関係していると言われている。
人間の体内時計は「24時間ぴったり」ではない
一般に、人の体には
**体内時計(概日リズム)**が備わっている。
これは、
- 眠くなる時間
- 目が覚めやすい時間
- 体温やホルモン分泌のリズム
などを調整している、
いわば「体の時間管理システム」だ。
興味深いのは、この体内時計が
24時間より少し長い周期を持つとされている点だ。
研究によって多少の差はあるが、
平均すると 約24.5〜25時間 と言われることが多い。
1時間のズレが、日常の違和感を生む
もし体内時計が25時間で回っているとしたら、
実際の1日(24時間)とは、
毎日少しずつズレが生じることになる。
このズレが積み重なると、次のような感覚が起きやすくなる。
- 夜になっても、まだ眠くならない
- 朝になっても、体が「まだ夜だ」と感じている
- 生活リズムが合っていない感じがする
つまり、
「今は寝る時間」「今は起きる時間」
という社会の時間と、
体の時間がズレている状態
が起きている。
なぜ「まだ寝ていたい」と感じるのか
朝、アラームが鳴った瞬間、
頭では「起きなきゃ」と分かっているのに、
体はこう訴えてくる。
「まだ寝ていたい」
これは意志の問題ではなく、
体内時計がまだ“睡眠モード”にある可能性が高い。
体は、
- 体温
- ホルモン
- 脳の覚醒度
などを総合して
「起きるか、寝るか」を判断している。
その判断が、
社会の時間と一致していないだけなのだ。
逆に、夜に眠くならない理由
夜になっても眠くならない日があるのも、
同じ理由で説明できる。
体内時計からすると、
- まだ活動時間が終わっていない
- 覚醒を保つホルモンが出ている
そんな状態のこともある。
このとき、
無理に「寝なきゃ」と考えるほど、
頭は冴えてしまう。
このズレは「異常」ではない
大切なのは、
このズレが 特別な異常ではない ということだ。
人間は本来、
- 太陽の光
- 暗さ
- 気温
- 食事
といった外部の刺激によって、
体内時計を調整してきた。
だが現代では、
- 夜でも明るい
- スマホや画面の光
- 生活時間の固定化
によって、
体内時計が微調整しづらい環境になっている。
ズレを感じるのは、
ある意味、自然な反応とも言える。
「ちゃんと眠れない自分」を責めなくていい
眠れない夜や、
起きづらい朝が続くと、
- 自分はだらしない
- 意志が弱い
- 管理できていない
そう感じてしまう人も多い。
しかし実際には、
体のリズムと社会のリズムが噛み合っていないだけ
というケースも多い。
これは人格の問題ではない。
体内時計と上手く付き合うという視点
この話が教えてくれるのは、
「無理に合わせる」以外の見方があるということだ。
- なぜ今眠くないのか
- なぜ今起きづらいのか
それを「ダメだ」と切り捨てるのではなく、
体がどう感じているかを知る。
それだけで、
睡眠や生活への向き合い方は変わる。
時間に支配されるか、理解するか
1日は24時間。
これは変えられない。
だが、人の体は
その時間にぴったり合わせて作られているわけではない。
その小さなズレを知るだけで、
- 自分を責める必要が減る
- 無理な気合いが減る
- 体の声に耳を傾けやすくなる
時間に合わせて自分を壊すより、
時間と体の違いを理解する。
それが、
現代を少し楽に生きるヒントなのかもしれない。


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